イタリア・ナポリから取り入れたいライフスタイル

世界のライフスタイル

ナポリの街

ナポリは紀元前6世紀にまで遡る歴史を持つ町で、ユネスコの世界遺産に登録されています。狭い路地、カラフルな建物、歴史的建造物が町中に点在し、さらにヴェスヴィオ火山、ナポリ湾、カプリ島など、美しい自然景観に囲まれていて、観光地として人気が高い場所です。

地元の人々は陽気で情熱的。市内はいつも活気に満ち、マーケットやカフェでは賑やかなやりとりが行われています。またナポリはピザの発祥地として有名で、特に「マルゲリータ」は世界中で愛されています。

ナポリで暮らす、平均的な1日の生活

平日

時間 スケジュール
7:00 起床。シャワーを浴びて着替え。
7:30 朝食は自宅でエスプレッソとクロワッサン(「コルネット」と呼ばれる)。
9:00 仕事開始。
11:00 コーヒーブレイク。近くのバールでエスプレッソを飲みながら同僚と雑談する時間を楽しみます。
13:00 ランチ。ランチはナポリの人々にとって一日の中で最も重要な食事であり、家族と一緒に自宅で食べるか、職場の近くのレストランで取ります。

メニューはパスタが中心で、サラダや魚、パンが添えられることが多いです。昼食後にはフルーツやエスプレッソが出されることも一般的です。

15:00 仕事再開。
18:30

アペリティーボという、仕事帰りに友人や同僚と一緒に軽食とドリンクを楽しむ時間です。地元のバールや屋外のテラスで、ワインやスプリッツを飲みながらリラックスします。

21:00 夕食は家族と一緒に取ることが多い時間です。料理はパスタや魚料理、地元の野菜料理が中心となります。
ワインや食後のリキュール(リモンチェッロなど)が振る舞われること
22:00 サッカーの試合を観戦。
外出して夜の街を楽しむ人もいます。ナポリの夜は遅くまで賑やかです。
24:00 就寝。

休日

時間 スケジュール
9:00 起床。
10:00 自宅で朝食。カプチーノやエスプレッソに加えて、クロワッサン、トースト、フルーツ、ヨーグルトなどをゆっくり楽しみます。
11:00 地元のマーケットで日用品や食料品を買い物へ。
13:00 休日のランチは特別で、家族全員で集まるのが一般的です。
食事は前菜、パスタ、メインディッシュ、デザートというフルコース形式がよく見られます。特に日曜日は手作りの「ラザニア」や「ナポリ風ラグー」が定番です。
15:00 シエスタ。
16:00 ヴォメロ地区へ海を見にお出かけ。途中でアペリティーボを挟むことも。
20:00 休日の夕食は平日よりもゆったりしており、前菜から始まり、パスタ、地中海で採れた白身魚や肉料理、最後にババ(スポンジケーキ)を。
24:00 就寝

食事の取り方

ナポリの食事は家族や友人と共有する社交の場で、ゆっくりとしたペースで楽しむのが特徴です。朝はバールでエスプレッソとクロワッサンを楽しみ、昼食は家族や同僚とシンプルなパスタや魚料理を味わい、夕食は前菜からデザートまでのコース料理を家族全員でゆったりといただきます。食材は市場で新鮮なものを選び、手作りが中心です。会話を楽しみながら料理を味わい、食後はリモンチェッロや散歩(パッセジャータ)で締めくくります。食事は「人とつながる時間」として大切にされています。

仕事の仕方

ナポリの人々の仕事への姿勢は、効率性よりも人間関係や生活のバランスを重視する点が特徴です。職場では同僚や上司との関係を大切にし、会話や信頼構築を欠かしません。仕事の進め方は比較的リラックスしており、急ぐよりも慎重に物事を進める傾向があります。昼休みはしっかり取って食事やリフレッシュに充て、生産性を高める時間としています。働く目的は家族を支えることや生活を楽しむことと密接に結びついており、長時間労働よりもメリハリをつけた働き方を好みます。また、地元の文化や伝統に誇りを持ち、それを守りながら仕事に取り組む姿勢が見られます。

休息の取り方

ナポリの人々は休息を生活の重要な一部と考え、リラックスする時間を大切にします。昼食後には「リポーゾ」と呼ばれる短い昼寝や休憩を取る習慣があり、午後の活動への活力を補います。夕方には「パッセジャータ」という散歩を楽しみ、街の景色を眺めながらリフレッシュすることが一般的です。休日は家族や友人とビーチや自然の中で過ごし、美味しい食事を共にすることで心身を癒します。リラックスは必ずしも一人で静かに過ごすだけでなく、人との交流を通じて楽しむことが多く、日常生活にメリハリをつけることを重視しています。

趣味への取り組み方

ナポリの人々は趣味を生活の充実に欠かせないものと考え、情熱的に取り組みます。音楽やサッカー、料理、芸術など、自分が楽しめることに時間を惜しまず費やします。特に地元のサッカーチーム「SSCナポリ」を応援するのは多くの人にとって一大イベントで、試合観戦は家族や友人との共有体験でもあります。また、趣味を通じて他者とのつながりを深めることを大切にし、例えばアマチュアの音楽活動や地域のフェスティバルへの参加など、コミュニティ活動に積極的です。趣味は単なる余暇ではなく、自分のアイデンティティや地域文化を表現する手段として楽しんでいます。

家族との接し方

ナポリの人々にとって家族は生活の中心であり、絆を非常に大切にします。家族との時間を優先し、日常的に食事を共にしながら会話や近況の共有を楽しみます。特に休日や特別な日は家族全員が集まり、手作りの食事や団らんの時間を過ごすことが一般的です。祖父母や親戚も含めた大家族での交流が深く、助け合いや支え合いが自然に行われます。親は子どもに対して温かく、教育や将来について積極的に関わりますが、独立した後も親密な関係を保ちます。家族との接し方は、愛情と尊敬、そして互いに支え合う精神が基盤となっています。

ナポリから学ぶライフスタイル

ナポリのライフスタイルから日本人が取り入れたいポイントは、家族や友人とのつながりを大切にし、食事を楽しむ時間としてゆっくり味わうこと、仕事と生活のバランスを重視すること、日常に散歩を取り入れてリラックスすることです。
また、趣味を人生に根付かせ、地元の食材や自然とつながる意識を持ち、休息をしっかり取ることが重要です。これらの要素を日常に取り入れることで、心身の健康や生活の充実感を高めることができます。
 

執筆者の感想

いかがでしたでしょうか。今回はイタリア・ナポリで暮らす人の一般的な生活をご紹介しました。
家族や同僚との会話や食事の時間を大切にする価値観が素敵ですね。
日本、特に東京で暮らしていると仕事に追われて、家族との団欒の時間が減ってしまうことがあるのではないでしょうか。

実は、内閣府の平成30年(2018年)版高齢社会白書によると、家族や友人との会話の頻度が「ほとんど毎日」の人の主観的な健康状態は、「良い」が90.1%。「2~3日に1回」の人では、健康状態が「良い」の割合は5.2%であり、誰かと会話することが身体的、精神的にいい状態を維持できるというデータがあります。
人生において何を大切にするかはライフステージで変化しますが、食事の時間に限らず大切な人とのコミュニケーションを忘れないようにしたいと思います。

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