筋トレの負荷設定はどっちが正解?低負荷・高負荷トレーニングの科学的根拠

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筋トレの負荷は筋力や筋肥大の結果にどう影響する?

筋トレでは「高負荷・低回数」と「低負荷・高回数」の2種類の方法があります。高負荷とは、75~90%1RM(最大挙上重量)の重量で行うトレーニングを指し、低負荷は30~50%1RMの重量で行い、回数を多くするのが特徴です

では、筋力向上や筋肥大にはどちらが効果的なのか。一般的に、高負荷トレーニングは神経系の適応を促し、筋力の向上に優れているとされ、低負荷トレーニングは限界まで追い込めば筋肥大に効果があると報告されています

本記事では、最新の研究をもとに、負荷の違いが筋肉に与える影響を解説します。目的に応じた適切なトレーニング法を選ぶ参考にしてください。

※RM(Repetition Maximum)とは?
RM(Repetition Maximum)とは、「最大反復回数」のことを指し、特定の重量を何回持ち上げられるかを示す指標です。たとえば、**1RM(ワンアールエム)**は「1回だけ持ち上げられる最大重量」、10RMは「10回持ち上げられる最大重量」を意味します。
トレーニングでは、目的に応じて適切なRMを設定することが重要です。筋力向上を目指す場合は1~5RM(高重量・低回数)、筋肥大を目的とする場合は6~12RM(中重量・中回数)、筋持久力向上を狙う場合は15RM以上(低重量・高回数)が推奨されます。

低負荷 vs 高負荷の筋トレ、筋力と筋肥大にどう影響する?

今回取り扱う研究では、低負荷(30~50%1RM)と高負荷(75~90%1RM)のトレーニングが、筋力や筋肥大にどのような影響を与えるのかを比較しています。対象者は18~35歳の健康な成人で、8~12週間にわたりトレーニングを行いました。

各グループは週3~4回の筋トレを実施し、低負荷グループは20~25回、高負荷グループは8~12回の反復回数で設定しました。筋肉の厚みや1RMの変化を測定し、負荷の違いによる適応の違いを分析しています。

本研究の目的は、「低負荷でも高負荷と同等の筋肥大が可能か」を検証することです。また、筋力向上にはどちらの方法がより効果的なのかを明らかにすることも目指しています。

この研究結果をもとに、目的に応じた最適なトレーニング方法を解説します。

低負荷と高負荷の筋トレ、筋力と筋肥大に与える影響は?

本研究では、低負荷(30~50%1RM)と高負荷(75~90%1RM)のトレーニングが、筋力や筋肥大にどのような影響を与えるのかを検証しました。その結果、負荷の違いによって異なる適応が見られました。

筋力の向上について

高負荷グループは、1RMの向上が顕著で、開始時と比較して平均20~30%の筋力向上が確認されました。一方、低負荷グループの筋力向上は10~15%程度にとどまり、高負荷の方が筋力向上には有利であることがわかりました。これは、高負荷トレーニングが神経系の適応を促し、より大きな力を発揮できるようになるためと考えられます。

筋肥大の効果について

筋肥大の効果については、低負荷・高負荷のどちらのグループでも筋肉の厚みが増加しました。高負荷グループの筋肥大率は約8~10%で、低負荷グループも7~9%と、ほぼ同等の結果となりました。つまり、低負荷でも限界まで追い込めば、筋肥大の効果は高負荷とほぼ変わらないことが示されました。

考察:どちらの方法が適しているのか?

筋力向上を目的とする場合、高負荷トレーニングが最も効果的であることがわかります。特に、スポーツ競技や重量挙げを行う人にとっては、高負荷でのトレーニングが推奨されます。一方、筋肥大が目的であれば、低負荷トレーニングでも十分な効果が得られるため、関節への負担を減らしたい場合や、持久力を高めたい場合に適しています

結論

低負荷と高負荷では、それぞれ異なる利点があり、目的に応じて使い分けることが重要です。筋力向上を狙うなら高負荷、筋肥大が目的なら低負荷でも効果を得られるため、トレーニングの目標に合わせた負荷設定を行いましょう。

どちらのトレーニングを選ぶべきか?目的別に解説

低負荷と高負荷の筋トレは、それぞれ異なるメリットがあります。目的に応じて適切な方法を選ぶことで、効率よくトレーニングの成果を得ることができます。

筋力を高めたいなら高負荷トレーニング

筋力向上を目指すなら、75~90%1RMの高負荷でのトレーニングが効果的です。研究では、高負荷トレーニングを行ったグループが1RMの向上率20~30%と、低負荷の約2倍の筋力向上を達成しました。アスリートや競技者、パワーリフティングを行う人には高負荷が推奨されます。

筋肥大が目的なら低負荷でもOK

筋肥大を狙う場合、30~50%1RMの低負荷でも高負荷とほぼ同等の効果が得られます。実験では、低負荷グループの筋肥大率が7~9%、高負荷グループが8~10%と、ほとんど差がありませんでした。フォームを崩さずに安全に鍛えたい人には低負荷が向いています。

関節への負担を減らしたいなら低負荷が適切

低負荷トレーニングは関節への負担が少なく、高齢者や初心者におすすめです。特に、関節痛を抱えている人やリハビリ目的の場合、軽い重量で正しいフォームを維持しながらトレーニングを行うことが重要です。

執筆者の感想

筋トレを少しでもしている方にとっては、高負荷にするか、低負荷にするかはよく議論を目にされているでしょう。この研究結果に示されている通り、筋肥大だけを狙うのであれば、無理に高負荷トレーニングをする必要はないということです。

しかし、私もトレーニングしている身として実感しているのは、結局どれくらいボリュームをこなせるかどうかという点が、サイズを大きくするにあたって重要なのかもしれない、ということです。
私の体感なので恐縮ですが、ある程度ボリュームをこなすには持つ重量も重い方が有利である方が間違いないです。20kgを20回できるのと、40kgを20回できるのでは明らかに40kgを20回こなす方が筋肥大しそうですよね。

なので、筋力を伸ばすトレーニング(高負荷)と、関節や神経を休ませながら筋肥大を狙うトレーニング(低負荷)をうまく分割して、トータルでボリュームを最大化するトレーニングができると良いのではないかと感じました。

参考文献

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