運動不足は世界中で広がりを見せ、健康だけでなく経済にも影響を与えています。2016年に発表された研究によると、運動不足が原因で発生した経済的損失は年間約671億ドルにのぼります。これは医療費や生産性の低下による損失を含んだ数字です。
例えば、運動不足により糖尿病や心疾患、がんなどの病気にかかるリスクが高まります。これらの病気の治療費は膨大で、医療制度全体への負担も増加します。また、欠勤やパフォーマンス低下といった生産性の損失は、個人や企業にも直接的な影響を与えています。
このように、運動不足は放置すると健康だけでなく、経済的なダメージを生む深刻な問題です。まずは現状を知ることが、改善への第一歩となります。
日本の運動不足の実態と私たちの生活への影響とは?
日本では、運動習慣がある成人の割合は約27%と非常に低い水準です(厚生労働省2019年調査)。この現状が原因で、糖尿病患者数は約1,000万人に達し、高血圧患者も約4,300万人と増加の一途をたどっています。これに伴い、医療費は年間約40兆円にのぼり、そのうち生活習慣病関連の費用が大きな割合を占めています。
また、運動不足により早期退職や欠勤が増加し、経済的損失が拡大しています。日本生産性本部のデータによると、病気やけがによる労働損失は年間約3兆円にも及びます。さらに、高齢化社会では運動不足が要介護リスクを高め、介護費用が増加する要因にもなっています。
運動がもたらす驚きの経済メリットとは?
運動を日常に取り入れることで、健康だけでなく経済的にも大きなメリットが得られます。例えば、厚生労働省のデータによれば、運動習慣がある人は医療費が約20%低く抑えられる傾向があります。また、定期的な運動で生活習慣病の発症リスクが約30%減少することが報告されています。
厚生労働省のデータによると、日本人の生涯医療費は性別や寿命により異なりますが、総額で約2,600万円とされています。20%低く抑えられた場合、約520万円の損失を防ぐことができると考えられます。
生涯医療費(約2,600万円)× 削減率(20%) = 約520万円
さらに、運動を習慣化することで、生産性が向上することも明らかです。世界的な調査によると、運動をしている人はしていない人に比べて、欠勤が最大27%減少し、労働効率が高まります。欠勤や早退が増えることで、働く人の年収が約10~20%減少する可能性があるとのデータもあります。
年収600万円の人の場合、60万円〜120万円ほど損している可能性があるということです。
運動は将来の医療費削減や仕事のパフォーマンス向上を通じて、経済的に大きなリターンをもたらす「自己投資」と言えるでしょう。健康維持のための運動が、長期的には家計にもプラスになるのです。
執筆者の感想
定期的な運動が生み出すお財布影響は想像より遥かに大きいものでした。
もちろん運動することでコストが発生することも考慮すべきですが、仮に月のジム代が8,000円として20歳から50年間通った場合、8,000円×12ヶ月×50年=480万円で、運動しない場合と比較して40万円ほど得する計算になります。
何より、健康な状態で70歳を迎えるのと、疾患を抱えて思ったように身体が動かない状態で70歳を迎えるのでは私は絶対に後者でありたいと思います。
奥様にジムを止められている方や、支出を考えてジムを迷っている方は生涯通して見たときの損益も考慮に入れて、ジムへ入会してみてもいいのでは!?
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